岩手を守るための約束2009
〜自由民主党岩手県支部連合会重点施策〜
現在、結党以来、ごく短い期間を除いて、一貫して政権を担ってきたわが党に対し、国民、県民の厳しい視線が注がれている。私たちは、そうした批判を真摯に受け止め、正すべきところは正し、我々が国民、県民のために正しいと信じる政策に対しては真剣に理解を求めていかなければならない。
今般の衆議院総選挙にあたって、自由民主党政権公約「日本を守る、責任力」が示された。政権を担う責任政党として、これまでの実績をもとに実行可能な改革と国の将来の形を示したものである。しかしながら、「国のかたち」を示した政権公約だけでは、本県における身近な政策がどのように変化し、実現されるのか実感しにくい面がある。党の政権公約を推進することで、私たちの生活はどのように変化し、私たちの地域はどのように変わっていくのか、その変化を知らせることは大きな意義がある。
そこで、私たち自由民主党岩手県連は、党の政権公約を受け、国民・県民、そして将来を担う子どもたちのため、支部連合会としての存在意義を賭し、今後、岩手県での政策推進の基本となる「岩手を守るための約束」を、その指針として示すことにした。
T 安心
1 安心な県民生活の構築
○医療基盤整備・医療体制の安心確保
医科大学定員増の効果が表れるまでの期間、限られた人的医療資源の中で必要な時に救急医療や参加医療を受けられる体制をつくる。住民に対し本県医療の現状を丁寧に説明し、地域との連携により地域医療の再生を進め、ドクターヘリを導入するなど緊急時や災害に強い病院づくりを進める。在宅医療の重要性、有効性を再認識するとともに、家族の就業の継続などの条件整備を進める。
○健康で安心できる県民生活の確保
・健康づくり
市町村と医師、歯科医師等との連携を深め、健康診断、8020運動の充実等により健康寿命を延ばす。
・新型インフルエンザなどへの対応強化
秋冬の大流行の可能性に備え、新型インフルエンザワクチンの接種体制の整備を図る。迅速かつ適切な情報提供を行う。
・難病対策、肝炎対策、がん対策の充実
健診、放射線・化学療法、緩和ケア等を充実。医療における地域間格差の解消。
・地域社会における生活支援、支えあいの構築
地域における要援護者を把握、災害時の要援護者対策等を推進。
○障がい者施策の充実
特別支援教育をさらに充実。デイサービスなど障がい者支援体制を強化。
○社会防災対策の推進
地震、津波等の大規模自然災害に備え、後方支援拠点施設、災害前線基地を整備。学校や住宅等の耐震化を加速。
○自殺対策の強化
潜在的自殺企図者をなくすため、県立病院等に精神科を受診することへの抵抗感を薄め診療科間の連携を図るコミュニケーションナース(仮称)を設置するなどして、県内自殺者数を減少させる。
2 少子高齢化社会への対応
○安心して教育が受けられる社会の実現
高校再編は地域の理解を前提とし、地域や産業界が求める人材育成の観点を踏まえながら進める。再編に伴う通学困難者への支援を充実。
○安心して働ける環境の整備
放課後児童クラブの充実など仕事と子育てが両立できる環境整備を進める。
○介護サービスの改善
介護におけるケアマネージャーの重要性の認識を深め、ケアマネを中心とした医療・福祉の連携体制を構築する。
3 雇用対策
○自動車生産拠点の拡充強化
次世代自動車の生産拠点を目指し、隣県と連携し、企業誘致とその促進、また、通勤圏の広域化のため交通・社会基盤整備を図る。
○農林水産業で雇用開発
都会からのIターンなど第一次産業への新規就業者を支援。農林水産業を雇用の受け皿として育てる。
○雇用の維持、創出
従来の企業誘致支援に加え、進出企業に対するフォロー施策を充実させ、雇用の維持、創出を図る。
○職業訓練、職業紹介等の充実
失業者への就職、生活支援を行う「いわて求職者総合支援センター」を拡充し、訓練、再就職、生活、住宅など総合的な支援を充実させる。
4 教育・文化
○次代の岩手を担う子どもたちへの教育
小学校における30人学級の実現、本県固有の教育振興運動の発展強化などにより、国内トップレベルの基礎学力を実現する。
○スポーツ、文化芸術の振興
2016年2巡目岩手国体開催に向け、競技団体毎の実情を踏まえたトップレベル競技者の育成、強化を行う。地域における文化芸術音楽活動等を観光など地域活性化策の一環として位置づけ振興、継承を図る。
U 活力
1 地域振興政策
○環境に優しい地域システムの構築
間伐材の搬出助成制度の創設など新エネルギー導入のためのコスト負担の枠組みを構築し木質バイオマス等環境に優しいエネルギーの普及を図る。
○地域競争力の強化
・高校教育の充実
地域や産業界が必要とする人材を把握し、実業高校のカリキュラムに反映させるとともに、進学ではなく就職を前提とする普通科のニーズも踏まえ、卒業生の地元定着を図る。
・ものづくり立県の再生
高校、高専、大学の連携により、ものづくり技術の研究開発を戦略的に行い、経済危機により後退しつつある本県のものづくりにおける優位性を取り戻す。
○地上デジタル放送への万全対応、情報格差の解消
地上デジタル放送について、山間部の整備や都市部の難視聴対策の具体策を確定し、経済的弱者への支援等、2011年の完全移行までに必要な措置を講じる。携帯電話不感エリア解消のため、特に条件的に厳しい地域の整備を行う。
○中小企業対策、建設業の健全な育成
・地元中小企業受注機会拡大
地域活性化と地元中小企業の再生のため、官公需の地元発注を進める。
・地域を支える建設業の健全な育成
公共工事の品質を確保し、地域の雇用と経済を支える中小、中堅建設業などを発展させるため、地元企業の受注機会の拡大、中小企業向けの分離、分割発注の推進、最低制限価格等の引上げ等によるダンピング対策の徹底、実績要件の緩和等地域性を重視した入札参加資格の設定などを行う。
○県北・沿岸振興策の充実強化
2 地域活性化・地域主権
○地域活性化
・交流・定住人口の拡大
農商工連携、産学官連携、新規就農者への支援等を推進し、競争力のある魅力あふれる地域を形成し、雇用の確保、交流・定住人口の拡大を図る。
・商店街活性化
空き店舗の活用や、無料の道路パーキングエリアを整備するなどして駅前や中心市街地等の賑わいを取り戻す。
○地域主権の推進
県から市町村への権限移譲を加速。県事業に対する市町村の負担金について、その廃止を含め抜本的に見直す。また、地域主権を進めるため、県と市町村の協調に向けた徹底的な議論が行えるよう、県と市町村が協議する機関の設置を条例化する。
○真に必要な社会基盤の整備
「命の道」や生活道路、通学路の安全対策など、地域生活の不可欠な道路については、B/C(費用便益比)にとらわれることなく、積極的に整備を進める。
○観光立県の実現
平泉の世界遺産登録を実現させるとともに、グリーンツーリズム等、本県の特色である豊かな自然を生かした観光産業を育成し、「観光立県いわて」を実現し、観光を通じた地域活性化を進める。
○地域で活動する団体の育成・支援
弱体化した地域の絆を再生するため、「コミュニティ活動基本条例」を制定し、町内会や自治会、消防団、NPO法人、ボランティア組織等、地域に根差した活動を行う団体を支援する。
3 農林水産政策
○ 日米FTA(自由貿易協定)締結に反対
県内農業に壊滅的な打撃を与える日米FTA(自由貿易協定)を締結しないことを政府に対し強く求める。
○県内農林業の所得の増大
・食品の高付加価値化、流通の改革
地産地消、都市での農畜産物直売、産直、農商工連携、食育などをさらに推進し、学校給食での地場農畜産物の利用を拡大させる。さらに、国内主要市場での本県農産物のブランド力を高めるため、物産展等へのさらなる積極展開を図る。米粉の普及、消費拡大を図る。
・農山漁村の保全と発展の追求
洪水防止機能や景観、文化創造を含めた農山漁村の多面的機能に関する都市、消費者への啓発を図り、そのための負担の必要性について理解の増進を進める。担い手の多様化などにより耕作放棄地を再生。作業体験の交流を定着に結び付けられる支援体制を整備。鳥獣害対策を増強。
○森林対策の拡充
県の公共施設への県産材使用の推奨を強化。
○力強い水産業の確立
・さけ・ます増殖事業の充実
本県漁業の主要魚種であるさけ・ます増殖事業の充実により水産業の体質を強化する。
・水産物の地産地消を支援
海の駅、産直など地産地消の取り組み支援を行い、県産水産物を安定的に供給する体制づくりを行う。
・ 密漁対策の強化
海上保安部、警察、漁業者の連携を強化し、密漁を半減させる。
V 責任
1 資源・エネルギー
○新たなエネルギーシステムの構築
10年以内に、県内における水力、風力、地熱、太陽光、波力等の自然エネルギー、バイオマス等の再生可能エネルギーの開発、普及促進、ビジネス化により本県の電力自給率を35%に引き上げることを目指す。
2 環境・地球温暖化
○低炭素社会づくりの推進による地球温暖化防止
県民総参加により環境と経済がともに向上する社会変革を進める。再生可能エネルギーの供給拡大、グリーン化、ゼロエミッション(自然界への廃棄物の排出がないシステム)などを推進する「低炭素いわて基本条例」を制定する。
○生活の安全・安心と調和する美しい自然と生物多様性の保全
住民と自然保護団体との対話、信頼醸成を進め、土地の有効利用、河川の氾濫対策等と調和する自然と生物多様性の保全を図る。
○資源循環型社会の構築
エコタウン、レアメタル回収等を通じた地域活性化を進める。
3 行政改革・政治改革
○組織改革
・不正への厳しい対応
補助金の不正経理処理により生じた補助金の返還金は職員が負担し県民負担をなくす。
・天下りの解消
国の公務員制度改革に準じ、地方公務員の天下りの実態を解明し、地方税が投入される団体への天下りを解消する。
○政治資金の透明性の確保
ネット献金など透明性が高く個人献金をしやすい仕組みを構築する。
W 主張
県支部連合会は、党中央の政策を県民に伝える役割を担うと同時に、県民の声を党中央にしっかりと届ける役目も負っている。小選挙区ごとにあげられた地域の切実な声を以下の通り提言し、党機関として正式に位置づけられた全国幹事長会議等を通じ、その実現を党本部等に強く働きかける。
1区
○岩手の基幹産業である一次産業(農林水産業)と商工観光事業の充実と拡大。特に農業においては日米FTA(自由貿易協定)の締結に反対し、農業従事者の暮らしを守る。
○医師・看護師不足、高齢者医療の問題等、医療制度の抜本的改革。特にも、入院の取り扱いを休止した医療機関について、1日も早く入院受け入れを再開。
○介護福祉については介護スタッフの待遇改善も含め、現場の実情を考慮した制度改善とシーティング(ベッドではなく椅子、車椅子上で座位保持を行い、寝たきり、寝かせきりを防ぐ技術)により寝たきり老人をなくす。
2区
○経済不況から国を守り、景気回復、雇用の安定を図る。
○社会保障の機能を強化。
○岩手の元気の源である農林水産業を振興し、食料自給率向上、自然環境保全を推進。
○地方分権の確立に向け、中央から地方に権限・財源を移譲。
○公共事業による経済・雇用対策を行い、災害に強い郷土をつくる。
○国際貢献を推進し、世界に誇れる日本を築く。
○少子化対策を進め、教育・子育て支援を充実。
○新型ウィルスや凶悪犯罪、悪徳商法などから国民生活を守るための対策を推進。
3区
○医療と福祉は国民の生活を守るだけでなく、地方経済を引っ張っていく重要な産業。医療と福祉の分野に思い切った予算を投入、この分野で働く人々を増やすべき。
○地方にとって、道路は産業や生活のためだけではなく、救急医療にとっても必要不可欠。必要な道路はつくらなければならない。
○漁業振興のカギは流通改革。漁業者が少しでも多くの収入を得て、消費者が安く魚を食べられるような流通システムを構築。
○全国一律の減反政策を見直し、地域の実情にあった作物を増産する体制を築く。政府が米の取引市場に介入し価格の下支えをするなど、高齢者や兼業農家が農業を続けていくことができる農政に転換すべき。
4区
○地方の疲弊は深刻。最優先課題は景気対策。公共事業拡大、中小企業減税、雇用確保、医療、子育て支援等への抜本的かつ包括的対策を打つことが急務。
○農業政策の大転換が必要。専業農家及び生産組織への所得補償、兼業農家への経営安定補償制度を構築し、減反政策を廃止すべき。現行制度では耕作放棄地が増え続け、農村は崩壊していく。